鳥から垣間見えた「自然」のすがた

「パラレル・ネイチャー 自然から学ぶ4ヵ月」の最後の講演会となりました。

今日は日本野鳥の会諏訪支部長の林正敏さんによる「諏訪の野鳥おもしろ生態学」です。

 

 

八ヶ岳美術館 企画展 パラレル・ネイチャー 林正敏氏講演会

 

たくさんの方にお越しいただきました。

 

諏訪湖に飛来するハクチョウがどんな旅をしてきているのかや、わが子を守るための行動が特徴的な「焼野のキギス、夜のツル」のお話、カラスの子は7つでは多すぎる(多くて4つ)などなど、興味深いお話が次から次へと。

 

中でも大変興味深かったのが、鳥にみられる「ヘルパー行動」というものです。親鳥が雛にエサを与えるのが普通ですが、親でも何でもない個体がエサをやることがあるというのです。

 

 

八ヶ岳美術館 企画展 パラレル・ネイチャー 林正敏氏講演会 スズメがシジュウカラの雛にエサを与える


これはスズメがシジュウカラにエサをやっているケースですが、巣立ったばかりの雛はスズメからエサを受け取ろうとしません。「よく見たら親じゃない?おかしいな??」と、巣から出たことで気付いたのでしょうか。

 

八ヶ岳美術館 企画展 パラレル・ネイチャー 林正敏氏講演会 コサメビタキがカラスの雛にエサを与える

 

コサメビタキがカラスの雛にエサをやるケースも。小さなコサメビタキが懸命にカラスの口にエサを入れている訳ですが、カラスのくちばしに足をかけてやっとというところ、今にも口の中に落ちてしまいそう!

 

「ヘルパー行動」は、このように繁殖の番を形成できなかった個体や繁殖に失敗した個体などが、ヘルパーとして子育ての手助けを行うことを指します。まさにヘルパーさんのように他の子育てを手伝うんですね。

 

他の番の子育てを手伝う…さらに上のどちらのケースも鳥種を超えて、なのです。何だか言葉を失うほどの衝撃を受けました。ヘルパー行動についてはまだ詳しくは解明されていないそうですが、自然の不可思議さは人間が考えて作った仕組みや決まりをいつも超えて、何歩も先を行くな、と感じました。「多様性の時代」と言われますが、自然が抱く豊かな多様性の一端を垣間見た気がします。

 

 

八ヶ岳美術館 企画展 パラレル・ネイチャー 林正敏氏講演会 諏訪湖 オオワシのグル

 

諏訪湖に22年間飛来を続けるオオワシのグル。かつて林正敏さんが保護され、それ以来毎年諏訪湖にやってきます。冬の諏訪湖の人気者ですね。

 

 

八ヶ岳美術館 企画展 パラレル・ネイチャー 林正敏氏講演会

 

鳥類の保護活動に日々携わっているからこその臨場感あふれるお話をしていただきました。

アーティストの表現に見られるさまざまな「自然」。そして、各分野の研究者や学者の目から見た「自然」。この二つをあわせて、今現在私たちが自然から学べることは何だろうか。そんな構想のもと始まった展覧会でした。

今日、林正敏さんの講演をお聞きして、切り口は違えど、みんな同じ自然の姿の別の見え方だったのだと改めて感じました。それにしても表現する人、お話する人、活動する人、それぞれになんて違った自然の姿なのでしょう!

 

 

八ヶ岳美術館 企画展 パラレル・ネイチャー 林正敏氏講演会

 

終了後も和やかにお話が続きました。

林正敏さん、ご参加くださった皆様、誠にありがとうございました。

 

「パラレル・ネイチャー 自然から学ぶ4ヵ月」の最後のイベントは、7月22日の「熊谷幸治さんと土器をつくる 土器を焼く」です。2回で完了するプログラムのため新たにご参加いただくことはできませんが、見学は大歓迎です。ぜひお越しください。

 

コメント
トラックバック
この記事のトラックバックURL